僕の絵を見た人の中には、ある意味、「初めて空をじーっと見た」と感じる人もいるかもしれません。
僕はその“癒やし効果”を狙って描いたわけではなくて、自分が気持ちいいように描いていただけ。
最近は、伝えたいメッセージやテーマがいろいろとあるので、そこから物語を広げていくことが多いですね。
僕の理想の絵本は“感じる絵本”。絵本は挿絵のついた童話とは違うんだから、言葉はなくてもいい。むしろない方がいいくらい。
『はちぞうのぼうけん』は、はちぞうが自分を探す旅に出る物語です。旅の中ではちぞうは、絶滅のおそれのある生き物たちと出会います。
子育て中のお母さんたちに贈りたい言葉は、「愛情豊かで賢くあれ」。子育て中は子どもが最優先で、愛情をたっぷり注ぐ必要があるけれども、自分らしさを忘れないことも大切です。
大切に思っているのは、「動物」「子ども」「女性」。ずっとこの世の中で弱者として抑圧されてきた存在。
「精神的な自立」。依存心をなくし、自分でやれることは自分でやって、自信をつけていくことだ。
何がしたいかではなく、何ができるかだよ。そして、本を読むのが好き、図画工作や絵が得意。それなら絵本作家やイラストレーターだろうと。これならいける、そう思った。
世界規模で、政治、経済、自然災害、紛争という過酷な時代が始まったけれど、それだけに人々は穏やかな平和な世界、メルヘンやファンタジーに親近感を覚えるようになったんだろう。
そういうなかでも、自立して、自活して、どう生きるかということを考えて、幸せを追求してきた。人の人生って、いいことも、悪いことも、あらゆることが、仕組まれていると思う。
相手の心を察すること。思いやること。信頼すること。相手が虫であっても、動物であっても、人間であっても。もちろんだまされたり、傷ついたりすることもあるけれど、それでも相手を信頼し続ける。
女性にとって今までにない史上最高のチャンスが、今、日本に来ていることを伝えたい。女性であることが、少しずつだけどハンディキャップではなくなってきたんだ。
地球上の色んな問題をみたとき、自分の中の感性が刺激される。僕は知性と感性のバランスをずっと心がけてきた。
そうですね。美しいとは、造形的な美ばかりではなく、美しい行為のことも指します。人がそれらを傷つけたり、破壊したり、汚すことは、美しくない。
この世を生き抜くための手段として選んだ職業・絵本作家が美しい画を描くには、そのスタンスをとるのがよい、と思っていたから。
プライベートな生活と国民としての義務を分けることはできなかった。でも、戦後は分けることができるようになった。日本は平和で、戦争をせずにこれたから。
地球があって、我々は生きているから。ところが40歳の年、チェルノブイリ原発事故で、ついに僕が恐れていたことが起こった。
チェルノブイリで一転。これは、うまくバランスをとって生きるという話じゃない。「世界」と「自分」は一体なんだ!だから、世界全体と自分は無関係じゃないんだ!と、僕は苦悩しました
「陰(かげ)」、それも原発事故という恐ろしい「陰」を実際の色として描いた。当時、原発は世界に100もなかった。今はもう、これを描いたような数に増えているね。