女性が男性に縛られている、という言葉はよく耳にしますが、男性だって女性に縛られているんだと思います。結婚や出産を機に、仕事を辞める女性も少なくありません。でもそのまま働き続けることのできる環境もずいぶん整ってきました。
いわゆる“男性社 会”と呼ばれる旧来の枠組は、女性だけでなく、男性をも抑圧している気がします。
リスクや負担があるのは男女一緒。性別で役割を決めるのではなくて、状況に合わせて 働けるほうが働き、育てるほうが育てる、ということをふたりで必死に回していかなけれ ばならない時代なんでしょうね。
社会には自分で判断して、責任を引き受ける領分がある、ということを子どものころから教えているんでしょう。それはそれで大変だけれど、何でも他人に決められてしまうよりは、それぞれのやり方で生きやすい。多様性社会をつくるために必要な下地だと思います。
自分にとってベストなバランスを考えて選 択できるような社会にしましょう、といういわゆるワークライフバランスの答えをそれぞれに持てるような社会にしていくときだと思うんです。
とても自分が無力になったように感じます。けれど、別の角度で眺めると、今までのやり方を変えるチャンスと捉えることもできます。
子どもは最も身近な存在。巻き込まれる、という点では、一番よく巻き込まれています(笑)。私が子どもから教わっているのは、“人生は思いどおりにならない”ということ。
「それは私も思ったことがある」とか、「実はそんなことで悩んでいたのか」という発見に結びつくことがあります。
それぞれに大事にしているものが違って、それぞれに切羽詰まって生きている私たちが、どうしたら同じ社会でしあわせに暮らせるのだろう?ということを、講演を通して私といっしょに考えていただければと思っています。
産後クライシスの最中に夫に裏切られたこと。そんな彼に「年収0のあなたをどうやって尊敬すればいいのよ!」と暴言を吐いてしまったこと……。
『こんなことって、皆もあるよね?』と書くことで、『私だけじゃなかったんだ!』とか、『俺も同じだー』と思ってくれたらいいなって思ってるんです。
発達障害という言葉が認知されてきたと同時に、周りの親しい人の中で『同じクラスに困った子がいてさあ。きっと発達障害だよねー』とか、『俺、ちょっと発達障害入ってからさー(ドヤ顔)』みたいに、雑な扱い方をする人が増えてきたんです。
いろんな人たちと生きていくことを前提にして教育した方がいいはず。だから我々子育て世代は、我が子を守ることだけでなく、世の中全体を良くする活動にもコミットした方がいいよね、と思ってるんです
子どもたちがもし大学院までいってマスター(修士号)を取りたいと言ったら、下の子が今14歳ですから、あと10年は学費を稼がないといけない。今のところは私の人生、すべての基準は学費ファーストですよ。
『VOGUE』に載ってるハイブランドの服とか買いまくりたくなっちゃったりするのかなあ(笑)。今は想像できないですね
子育て完了後のライフスタイルについて考えたこともないと語る小島さんだが、夫婦関係については、子どもたちが巣立った後「白紙」にすることが決まっている。
卒婚って言葉がなんとなくしっくりこなくて、“エア離婚”ってワードは私が考えました。
驚くほど気持ちが楽になりました。私は夫と一生を添い遂げなくてもいいんだ、いつでも離婚できるんだってなった途端、すごく心が軽くなったんです。
法律上の婚姻関係が重しになって憎み合ったり苦しい思いをするよりも、相手との間でもっとも健全な関係が築けるよう、“かたち”を変えていくのが結果としてはいいのかなって思うようになりました。
脳内の“恋愛回路”が死んじゃって、そこのシナプスがやられているんだよねえ。