ある企業の抱える課題について最もよく理解しているのは、その企業に20年、30年と勤め、四六時中自分の会社について考えている社員である。それでも多くの企業がコンサルタントを雇うのは、極言すれば、「自分たちがすでに気づいている課題を、気の利いたフレーズに言い換えてもらうため」だ。なかには「結論ありき」で依頼してくる企業もある。「マッキンゼーもこう言っている」と、自分たちの結論を追認させることで、組織の中に課題が浸透しやすくなるからだ。要するに、コンサルタントの仕事とはフレージングなのだ。
最近は、政府主導の女性活用の影響もあって、「女性だから」という理由で管理職に登用しようとする動きが支配的ですが、私は賛同できません。わが社では、女性管理職を何割つくるといった目標も設定しませんし、実力のない人に下駄を履かせて昇進させる気もありません。こうしたやり方は、男性に対しても、何より頑張っている女性にも失礼だし、無理に女性を昇進させても、女性課長は出てきても、女性社長を輩出することはできないと思います。私は、わが社を女性社長や女性会長が堂々と出る会社にしたい。
「質のいい非常識さ」を持つことが重要です。非常識といっても、常識を無視するという意味ではありません。むしろ、現在の仕事について考える際、いま当たり前と皆が考えている「常識」を謙虚に理解する姿勢が、「質のいい非常識」の源泉となります。
これからは、ひとつの会社で仕事をする人は少なくなっていくと思います。ひとつの会社にとどまらない、プロジェクト単位の世の中になっていくでしょう。多くの人とコラボレーションしながら、世の中に対して価値を提供していく時代ですから。だから会社自らが開かれていないといけません。
事業計画もあるし、それを達成しないといけないからコストを削減して、と数字に目がいくようになりますが、そもそも何のためにコストを削減するのか。さらには何のためにそれをするのかと言うと、お客さまにデライトを届けるため。事業全体のビジョンやミッションをはっきりさせ、すべてはそれに資する活動になっているのかどうかということが、すごく大事です。
コンサルティングで学んだことは経営にあまり生きていません。事業をつくり、物を動かしているのは人であるという大事な視点がコンサルタントには抜けがちだからです。同じ戦略でも誰に任せるのかによって成功の可能性は9割にもなれば1割以下にもなりますが、コンサルタントはそういう発想をあまりしません。
何か思いを持って、それを突き詰めてみる、深めてみる。自分という人間のアイデンティティや強さ、何ができるのかを意識して作っていかないといけない。
いろいろなことが後の世代にツケ回しにされているのだけれども、どういうことになるかって、若者には知らされていない。今の若者は、負の遺産を先輩方に作られてしまっている。それに対し、もうちょっと怒ってもいいかなと思う。
私は人が人を育てるとは思わない。人は仕事のみによって育てられる。
予期せぬ壁が唐突に立ちはだかったとき、ダメージを受けて「もうダメだ」と力が抜けてしまう人と、逆に「この問題を解決して次に繋げよう」と闘志が湧いてくる人がいます。当然後者の人材が優れているわけですが、そんなふうに闘志を燃やせる人の共通点は、ネガティブな状況が生じた際に「ひと」に向き合う姿勢にあると思います。
まとめ
今回は「南場 智子」の名言・名セリフ集をご紹介しました。
お気に入りの名言や心に響く名言は見る人によって変わります。
「南場 智子」の名言には、今回ご紹介していないものの中にも、まだまだ名言と呼ばれるものが数多く存在するでしょう。
ぜひ自分のお気に入りの名言を見つけてみてください。