なんとか引き分け
うわっ、戻ってきたらピンチで回跨ぎスアレスかよ!
あぁ…。助かったと思ったのに…
わお、マカヒキ!
ヤクルト負けねぇな〜
たまにG1を買うくらいで、ものすごい競馬好きというわけではなかったです。ダービーはマスコミに取り上げられることが多くて、それでなにもわからずに買ったのが最初でした。
ウィナーズサークルの年(89年)です。誕生日が5月27日でダービーのころなのですが、その年はリアルバースデーという馬が出ていて「ちょうどいいや」と名前だけで単勝を買いました。2着で外れてしまったのですけれど。
担当になった編集者の方が競馬好きで、その勧めで競馬ものを書くことになりました。
牧場もなにも知らないような状態で、調べながら描いていました。
動物ものが描きたかったんです。それで競馬のお話しがあったときに、無理なく動物を主人公に描ける題材で「バッチリだな」と。
最初は競馬をまじめに描くつもりはなくて、もう少しギャグ寄りでした。少年誌で競馬をまじめに扱って受け入れられるか、というのもありましたし。だんだん描いているうちに、ですね。
動物がしゃべることについてはいろいろ言われることはありますが、「しゃべらせよう」という意図があったわけではないんです。
馬を主人公に描きたかったのと、あと競馬にあまり詳しくなかったので、騎手とかの話になると「いや、こうじゃないよ」というのがありそうですから。馬の気持ちを描く分には「違うよ」とは言われませんし(笑)。
競馬に詳しいみたいに思われてしまって(笑)。連載の途中ではじめて北海道に行きました。
鵡川というあまり聞いたことがない地名があって、調べるとどうも馬産地らしい。また、字面もかっこいいので「おもしろいかな」と。それで詳しいように思われてしまってプレッシャーでした(笑)。
馬を描けと言われて、常識的に考えたら描けないようなものを描いてしまう担当がすごかったんです(笑)。
どこかでネズミを描きたいという思いがあったんです。それでアタマに載せてみました。
レースを描くにしても、アタマにネズミがいなかったら、もう少し馬と人間がうまくいかなかったと思います。
絵としてはハミを描くのに苦労しましたね。口の中まで入れてしまうと少しかわいそうな感じに見えてしまうので。
「みどりのマキバオー」である程度は描ききった、というのもありましたので……。