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【中島らも】の名言集|名言まとめドットコム

大人にならずに死ぬなんて、つまらんじゃないか。せめて恋人を抱いて、もうこのまま死んでもかまわないっていうような夜があって。天の一番高い所からこの世を見おろすような一夜があって。死ぬならそれからでいいじゃないか。

自分に愛想をつかせても人間は生きていける

よくあのころこうしてたらよかったのに、とか言うけど、それはないんや。勉強したいという意識はあっても、勉強できなかったから勉強しなかったんであって、自分の生きてきた来し方って必然の集積なんだ。

ただこうして生きてきてみるとわかるのだが、めったにはない、何十年に一回くらいしかないかもしれないが、「生きていてよかった」と思う夜がある。一度でもそういうことがあれば、その思いだけがあれば、あとはゴミクズみたいな日々であっても生きていける。

生きた人間のすることじゃないのよ、悲しみ続けるのは。

アルコールは援助を申し出る才能あふれる友人のようなふりをして近づいてくる

だからとりあえず今日はご飯を食べて明日まで生きてみることが大事なのです。

「若い」ということは哀しい。なぜならそれは、さ中にあっては気づかず、失って初めてそれと知る性質のものだからだ。

「夜、ツメを切るのはようないんやで」祖母が僕にいう。僕は彼女が眠るのを見すましてから、猛然とツメ切りにとりかかる。これ以上悪い状態というのがどういうものなのか、一度でいいから見てみたいからだ。

「まったく神様は、何で食事なんていう面倒臭いものを創られたのだろう。俺はバッカスに祈りを捧げ、神を呪うよ」

いずれにせよ、時が我々を連れていってくれるだろう。約束の地へ。それが生であれ、死であれ、時が我々を連れていってくれるだろう。

不可解は不可解としてそのままに受け止める。それが時友の流儀だった。そうでもしないと、この不可解だらけのお世界に押しつぶされてしまう。

陸上の哺乳類の中で人間だけが無毛であるというのは実にへんてこなことです。月夜のオオカミ男のような姿のほうが自然なのであって、他の動物から見れば地肌ばかりでツルンとしている人間というのはさぞや不気味な存在であろうと思います。

「人の命は地球より重い」とよく言うけれど、そんなものは嘘っぱちだ。地球の方がやはり重い。ただ、その人、およびその人を愛する人にとってみれば、地球なんてオレンジ一個よりも軽いのかもしれない。要するに僕にはよくわからない。

今日しなきゃいけないことは明日する。今日飲める酒も明日の分の酒も今日のうちに飲んでしまう。それが俺の選択だった。

内臓は頑丈でも、おれの心には穴がいくつもあいていた。夜ごと飲みくだすウイスキーは、心にあいたその穴からことごとく漏れてこぼれ落ちてしまうのだった。

人間はそれでいいのではないか。名前すらなく、飲んで飲んで飲みまくったあげく目詰まりのした「アルコール濾過器」として、よく燃えて骨も残さない、きれいさっぱりとした「具体」であって何がいけないのか。どうして人はアル中であってはいけないのか。えらそうな「人間」でなくてはならないのか。俺は自分の中で、中学生がやるような自問自答をくりかえす。

「自分がアクションを起こさねば誰がやってくれるというのか。何も起こりはしない。世界は昨日のままだ」

「人間というのは破れ目がおもしろいのだと思う」

「潰れる必要はなんにもないんだよね」

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