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【桂 歌丸】の名言集|名言まとめドットコム

楽になるのは目をつぶる時でいい。苦労するから最期は楽に目をつぶれる。楽だけしたっていいことなんてありませんから。

落語家にとって噺は財産。苦しい思いをした分だけ財産は増えていく。

あたしは自分の弟子に「勉強しろ」とは言いません。弟子だって真打ちになったら一本立ち。自分で責任をもってがんばっていくしかない。

自分の間を拵えた人間が勝ち。それは自分で研究し、掴むしかないんです。

一度でいいから見てみたい、女房がへそくり隠すとこ

噺家人生を振り返ると山あり谷ありよくここまで来たなぁと思います。最近になってやっと平地に足が着いて歩いている感覚があります。芸が少しうまくなったらそこはキープしなければいけない。そしてまた上がってまたキープ。落ちてしまったらいけない。いかに平地を増やして登り続けるかが大事なんだと思います。

楽になるのは目をつぶる時でいい。苦労するから最期は楽に目をつぶれる。楽だけしたっていいことなんてありませんから。

自分が好きで選んだ仕事ですからね。ずっと長く続けてこられました。でも若い頃に師匠の元を飛び出したことがあって、1年半ほど高座から離れたことがあったんです。噺家を辞めたわけではないけれど、落語をする機会が減ったので、化粧品の訪問販売のアルバイトをしたこともありました。

素敵な嘘でお客さんを惹き込むには、当然話がうまくあり続けなくてはならない。ですから、今でも高座に上がり、芸を磨き続けるんです。

ニ十才を過ぎた人間にモノを教えることは何もないニ十才を過ぎた人間は大人だニ十才を過ぎたら自分で気づくよりほかない

古典とはいえ、変えていいものもある。省いていいものもある。現代に通じるものを入れなくちゃいけない場合もあります。でも、どうやっても直しちゃいけない言葉もあるんです。

噺を教わった人よりもうけて初めてその人への恩返しになる

私にとって寄席は道場です。高座に上がれば真剣勝負。お客様も刀を抜いて構えているから、こっちも構える。下手すれば切られる。だから、どんなに短い噺(はなし)でも、バカバカしい噺でも、決して手は抜けません

苦労したというよりは、ずっと苦しんでいる。

食べるために何か仕事をしなければならなかったわけですから。訪問販売なら、しゃべることが仕事。それが修行、とまでは思わなかったですけど、洗顔クリームとポマードを間違って売りつけてしまったり、派手な下着が干してあるから若いお嬢さんがいると思って訪ねたら、おばあさんが出てきたりしましてね。しゃべりとは違ったところで、戸惑ったことは多かったですよ。つらかったけれど、よい経験だったと思います。

これは落語の世界での経験ではないから、これをもって苦労したなんて言ったら、それこそ今輔師匠に叱られます。でもね、「苦労したことが笑い話になるように苦労しろ。若い頃に苦労すれば、先に行って楽になる」と師匠に言われていましたから、苦労することは当たり前だと思っていました。

私は祖母に育てられたから、自然とそういう生き方みたいなことはしつけられていたんです。だから師匠の話もすーっと頭に入ってきました。身近な例で言うと、「畳のへりを踏むな」とかね。へりを踏まないのは、座敷を静かに歩くため。今の若い人たちはそういったことを知らないで育っている。弟子が2階でどたどたと歩く。「ここは池田屋じゃない!」と私は言うんです。

苦しんでいます。何に苦しんでいるのかというと、毎回お客さまが違うということなんです。高座ごとに異なるお客さまと立ち向かって、真剣勝負をしなければならない。何を言っても笑ってくれるお客さまが多い高座もあれば、何を言っても反応が薄いときもあります。今日はどんなお客さまなのか。落語をよくご存じなのか、それともあまり知らないお客さまなのか。日常の生活にストレスを感じているお客さまもいるかもしれない。それでも、私の噺で笑ってもらわなければならない。これは噺家の定めなんです。80歳になって、ネタを覚えなければならない。さすがに記憶力が低下したのかなと思うことがあります。噺家である以上、それはずっと続きます。この苦しみがなくなったら、噺家としてはおしまいです。

自分で選んだ道ですからね。「何で師匠はそんなに苦しんでいるのですか」とよく聞かれます。「楽になりたいから苦しむんだ」と答えている。それでは、いつ楽になるんですか。それは目をつぶるとき、つまり、あの世へ行くときです。でも私は、目をつぶってまで楽になりたいとは思いません。

苦労や苦しみの先に光があるはずなんです。その光が何なのかを追い求めて、お客さまに笑っていただいている。どうも最近気づいたんですが、私の場合、光が先に、頭に来てしまったようです

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