昭和の中期頃にいたかもしれない、熱意だけで犯人にぶつかっていくような、絵麻とは逆の存在になるのかな。大声を出してみたり、テーブルを叩いてみたり、時には取っ組み合いになったりしながら事件にぶつかっていく刑事を、いろいろ考えて演じています。
そう、絵麻とは反対側から同じものを見ているような感じですね
僕の場合は、『嘘をつく時に鼻がふくらむ』とよく言われます。あと、後輩にものを頼むときにだけ敬語になるとか(笑)。感情が表に出やすいみたいで、何を考えているか全部分かると言われます(笑)
筒井は、絵麻といつも火花を散らしてきた関係ですが、その火花の上には同じ正義のようなものがあったのではないか、と見えたらいいですね。これから最終回に向け、筒井と絵麻がどういう向き合い方をするのか、注目していただけたらありがたいです
美輪(明宏)さんや(渡辺)えりさんからも、大切なことを教わりました。演劇というのは、一番弱い者に語り掛けるもの。だから、声なき声に耳を澄ませることだと。
二十歳ぐらいの頃、美輪さんから「笑う練習をしなさい」と言われて、ずっと笑う練習をしました。身体もデカいし、しかめっ面では威圧感があるから(笑)。正直、幸せとは言えない人生を送ってきたので、人を信用できないし、世の中にも不信感があって、笑えなかった。美輪さんの言葉をきっかけに、ある程度笑えるようになりました。
昔、家出をしてから、ずっと飯を食わしてくれていた父親のような存在の、焼き鳥店のおじさんがいたんです。まだ役者を目指していた時代、その店で飲んでいたら、面倒な連中にしつこく絡まれて、思わず『うるせえ!』と酒をかけてしまって。すると、おじさんは『何が役者だ。ああいうヤツを笑わせる度量がなくて、役者なんかできるわけないだろう、馬鹿野郎!』と俺のことをすごく怒って。
ピンチとは、お世話になった人や目指す人たちからもらった言葉を覆してしまいそうになった時。だから、ピンチを乗り越える方法というのは、その言葉に恥じない自分であることですかね
パワハラやセクハラに対する"決まり"を決めることは大事。でも、人間というのは愚かで、決まりだけを作って、なぜ決めたかということを忘れてしまう。"弱者を守るため"の決まりなのに、決まりを作るのは弱者ではない側で、"何の弱者なのか"もわかろうとしない。
片側からしか物事を見ずに決まりを決めて、その中でなんでもかんでも杓子定規に線を引いてしまうんですよね。学校でも社会でも規則ばかりが増えて、若い子たちがどんどん息苦しくなっている。俺たちの頃は、悪いことしそうなヤツは見た目でわかったけど、今はそれが見えにくくなって、『まさかあの子がそんなことをするとは!?』という子が犯罪を犯したりするでしょ。大人たちがあまりにも多くの決まりを作ってしまったために、若い人たちは"考える"ことを楽しめてないんですよね
ウチの劇団では、劇団員全員が何かの担当についているんです。例えば、衣装担当は俺の書いた台本を基に衣装を集めてくる。時には使えないものを買ってきて、俺がNGを出すこともある。すると次はNGにならないように、安全ではあるけど面白味のない物を買ってくる。そうやって無難なところに逃げた時は、『せっかく田舎から出できたなら、怒られてもいいから面白いことやれよ!』と檄を飛ばす。そういう対話を繰り返しながら何年か経つと、俺がOKを出しても、向こうから『こっちの方がいいです』とか『もっと良いのがあります』と主張してくるようになる。こうしたぶつかり合いの中で、良い関係ができていくんです。そういう環境を作ることが大事だと思いますね
まとめ
今回は「宇梶 剛士」の名言・名セリフ集をご紹介しました。
お気に入りの名言や心に響く名言は見る人によって変わります。
「宇梶 剛士」の名言には、今回ご紹介していないものの中にも、まだまだ名言と呼ばれるものが数多く存在するでしょう。
ぜひ自分のお気に入りの名言を見つけてみてください。