「ONE PIECE (ワンピース)」にはさまざまな名言が登場します。
今回は、第59巻「ポートガス・D・エース死す」から赤髪シャンクスの名言「この戦争を終わらせに来た」について解説していきます。
「この戦争を終わらせに来た」のシーン解説

白ひげ海賊団と海軍の全面戦争
白ひげ海賊団と海軍が戦争になったのは、白ひげ海賊団のエースを海軍が処刑しようとしたからです。
黒ひげティーチは最強の悪魔の実である「ヤミヤミの実」を奪うためにサッチを殺します。そのティーチに激怒した白ひげ海賊団のエースが黒ひげに戦いを挑みますが、その闇の力に負けてしまい、ティーチによって海軍に引き渡されました。
エースが、かつての海賊王ゴール・D・ロジャーの息子だと知っている海軍は、エースの処刑を決定します。
エースの公開処刑がせまる中、エースの今の親父である白ひげ海賊団の船が海軍本部に姿を現し、全面戦争になりました。海軍は大将(青キジ、黄猿、赤犬)が率い、センゴク元帥が指揮を取ります
やって来たルフィが処刑台のエースを解放し、海兵をなぎ倒していきます。そこへ現れたのが海軍大将の赤犬で、白ひげを侮辱する赤犬に怒ったエースが戦いを挑みます。赤犬は「D」の血を引く義兄弟であるルフィを先に殺そうとします。
そしてルフィをかばったエースが赤犬に身を突き抜かれて死んでしまいました。
エースの死に激怒した白ひげは、赤犬を攻撃しますが、結局黒ひげ海賊団の銃弾を受けて亡くなります。
シャンクス登場
まだ終わりの見えない白ひげ海賊団と海軍の全面戦争は続きます。そんな中、海兵コビーが叫びます。
「命がもったいだい。目的はもう果たしているのに。その上にまだ犠牲者を増やすなんて今から倒れていく兵士達はまるで、バカじゃないですか」
そのすきに、傷を負ったルフィが運ばれ、逃げ延びます。
怒った赤犬は、コビーを殺そうと拳を挙げます。その拳を剣で制したのが、赤髪シャンクスです。
シャンクスが登場し、こう言います。
「この戦争を終わらせに来た!」
「まだ暴れ足りねェ奴がいるのなら来い!おれ達が相手をしてやる!」
その言葉に黒ひげは「ゼハハハやめとこう!欲しい物は手に入れたんだ お前らと戦うにゃあ…まだ時期が早ェ!」と言い、退散しました。
シャンクスは言います。「全員 この場はおれの顔を立てて貰おう」
それに対して海軍のセンゴク元帥は「お前なら…いい 赤髪…責任は私が取る」と言い、戦争終結を認めます。
かくして大海賊時代開幕以来最大の戦い「マリンフォード頂上戦争」はここに幕を閉じました。
「この戦争を終わらせに来た」が生まれた背景
四皇シャンクス
シャンクスは赤髪海賊団の大頭で、少年期は後に海賊王と呼ばれるゴール・D・ロジャー率いるロジャー海賊団で雑用として過ごしました。
当時被っていた麦わら帽子は、ロジャーから貰ったものと思われます。
ロジャーが処刑された後の大海賊時代に頭角を現し、その力は、新世界を統べる海賊の最高峰「四皇」の一人に挙げられる程です。
四皇の一人であるシャンクスは黒ひげなど海賊に恐れられ、また海軍にもその力を認められていて、そのために「この戦争を終わらせに来た」の一言が効いたと言えます。まさに鶴の一声です。
シャンクスの存在がいかに大きいかを示す出来事でありました。
主人公ルフィの命の恩人であり、憧れの海賊
マリンフォード頂上戦争で、深い傷を負ったルフィが海軍に追われます。そこへシャンクスが現れて終戦宣言をしたことで、結果としてルフィは潜水艦に運ばれて、助かります。シャンクスがルフィを助けに来たとも言えるのです。
ルフィとシャンクスの出会いはシャンクスが東の海のフーシャ村を拠点に航海を続けていた時です。
シャンクスは出会った少年モンキー・D・ルフィに興味を持ち、親しく接するようになります。ある日シャンクスたちが手に入れた「ゴムゴムの実」をルフィがうっかり食べてしまい、ルフィは全身ゴム人間になってしまいました。
ゴムゴムの実のせいでカナヅチになってしまったルフィを、山賊のヒグマが海に放り投げた時に、地元で"近海の主"と呼ばれる海獣が来ます。
ヒグマは乗っていた小舟ごと噛み砕かれルフィもその餌食になろうとしていた時、間一髪のところでシャンクスが泳いで駆け付けてルフィを救出しますが、ルフィを庇った際にシャンクスは左腕を食い千切られてしまいました。
シャンクスに左腕がないのはそうしたわけです。
後日、フーシャ村を旅立つことになった赤髪シャンクスは、"海賊王"を目指すというルフィの言葉を受け、自分にとっても大切な麦わら帽子をルフィに預け「いつか立派な海賊になって返しに来い」と約束します。
主人公モンキー・D・ルフィの命を救い、憧れであったシャンクスの影響で、ルフィは海賊王を目指し始めました。
『ワンピース』について
『ONE PIECE』(ワンピース)は、尾田栄一郎さんによる日本の少年漫画の作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて1997年34号より連載中。
2021年2月の時点で単行本は第98巻まで刊行されています。『週刊少年ジャンプ』歴代作品の中では『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(1976年 - 2016年)に次ぐ長期連載となっています。
国内累計発行部数は単行本第98巻刊行時点で、日本の漫画では最高となる4億部を突破しています。また、第67巻は初版発行部数405万部の国内出版史上最高記録を樹立。
第57巻(2010年3月発売)以降の単行本は初版300万部以上を10年以上続けているなど、出版の国内最高記録をいくつも保持しています。
2015年6月15日に「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録に認定されました。
まとめ
赤髪シャンクスの言葉「この戦争を終わらせに来た」は、熾烈を極めた、終わりの見えない白ひげ海賊団と海軍の全面戦争を終結させた重みのある一言です。
戦争を終わらせることができたシャンクスは、海賊からも海軍からも一目置かれる存在であったことは言うまでもありません。
これ以上無駄な戦いを続けて死者を増やさないというシャンクスの意志が通り、頂上戦争が終わり、ルフィーも逃げ延びることができました。
さすが四皇と言われるだけあって、その影響力は絶大です。
ルフィーの憧れの赤髪シャンクスの力を見せつけられる一言でした。