人間のプライドの究極の立脚点は、あれにも、これにも死ぬほど苦しんだ事があります、と言い切れる自覚ではないか。
再び破婚を繰り返した時には私を完全の狂人として棄てて下さい
真実は行為だ。愛情も行為だ。表現のない真実なんてありゃしない。
人間は、しばしば希望にあざむかれるが、しかし、また、「絶望」という観念にも同様にあざむかれる事がある。
あなたはさっきから、乙姫の居所を前方にばかり求めていらっしゃる。ここにあなたの重大なる誤謬が存在していたわけだ。なぜ、あなたは頭上を見ないのです。また、脚下を見ないのです。
年月は、人間の救いである。
人間のプライドの究極の立脚点は、あれにも、これにも死ぬほど苦しんだ事があります、と言い切れる自覚ではないか。
人間の生活の苦しみは、愛の表現の困難に尽きるといってよいと思う。この表現のつたなさが、人間の不幸の源泉なのではあるまいか。
好奇心を爆発させるのも冒険、また、好奇心を抑制するのも、やっぱり冒険、どちらも危険さ。人には、宿命というものがあるんだよ。
てれくさくて言えないというのは、つまりは自分を大事にしているからだ。
人は人に影響を与えることもできず、また人から影響を受けることもできない。
駄目な男というものは、幸福を受け取るに当たってさえ、下手くそを極めるものである。
僕は今まで、説教されて、改心したことが、まだいちどもない。説教している人を、偉いなあと思ったことも、まだ一度もない。
君のような秀才にはわかるまいが、「自分の生きていることが、人に迷惑をかける。僕は余計者だ」という意識ほどつらい思いは世の中に無い。
男って、正直ね。何もかも、まる見えなのに、それでも、何かと女をだました気で居るらしいのね。犬は、爪を隠せないのね。
僕は自分がなぜ生きていなければならないのか、それが全然わからないのです。
恋愛は、チャンスではないと思う。私はそれを意志だと思う。
とにかくね、生きているのだからインチキをやっているのに違いないのさ。
私はなんにも知りません。しかし、伸びて行く方向に陽が当たるようです。
昨年は、何も無かった。一昨年は、何も無かった。その前のとしも、何も無かった。