男だって木石じゃない。時には泣かねばならんこともある
わしが精進しろ、はげめと口を酸くして言うのは、怠けていては己が真の才にめぐり合うことが出来ぬからだ。
砂漠への出発。この現実を受け入れなければなるまい。まだ、この悲しみは残滓のように重く心の中によどんでいる。生きるということに何の喜びがあるわけでもないが、展子がいるから、生きて、展子をみてやらねばならない。悦子はある意味しあわせだ。私に看取られて私の手で埋葬された。昨夜、高坂をたつ時は、暗く雨のしぶく丘、悦子が眠る墓地に向かって、私は痴呆のように声をだして言った。(悦子、さようなら。またくるからね。またくるからね。)私もやがてそこへ帰るだろう。展子が一人で生きていけるようになったら。
しかし精進すれば、みんながみんな上達するかといえば必ずしもそうではない。真に才の才ある者は限られている。そういう者があるときから急に強くなるのだ。
まとめ
今回は「藤沢 周平」の名言・名セリフ集をご紹介しました。
お気に入りの名言や心に響く名言は見る人によって変わります。
「藤沢 周平」の名言には、今回ご紹介していないものの中にも、まだまだ名言と呼ばれるものが数多く存在するでしょう。
ぜひ自分のお気に入りの名言を見つけてみてください。