月の裏側に一人残されていたような恐怖を自分のことのように想像しながら、その状況の意味を何年も考え続けた。
人間ゆうのは、記憶を燃料にして生きていくものなんやないのかな。その記憶が現実的に大事なものかどうかなんて、生命の維持にとってはべつにどうでもええことみたい。
孤独好きな性格を守るのに、誰にも迷惑をかけてないはずだという論理は逃げである。孤独は闘い取るものだ。闘い取られていない孤独は、いつか人の心を蝕む。
ベッドの中でも、ベッドの外でも。彼女はぼくを、まるで飛行機のファーストクラスに乗ったような気分にさせてくれた
過ちを進んで認める勇気さえあれば、だいたいの場合取りかえしはつく。
女というのはまるで鮭みたいだなんのかのと言ったって、みんな必ず同じ場所に戻りつくのだ。
希望があるところには必ず試練があるものだから。
旅行というのは本質的には空気を吸い込むこと。
一般論をいくら並べても人はどこにも行けない。
走ることが創作のために大事な役を果たしているという肉体的な実感をずっと持ってきた
高く堅固な壁と卵があって、卵は壁にぶつかり割れる。そんな時に私は常に卵の側に立つ。
世界は日々変化しているんだよ、ナカタさん。毎日時間が来ると夜が明ける。でもそこにあるのは昨日と同じ世界ではない。そこにいるのは昨日のナカタさんではない。わかるかい?
少しずつ向上する。少しずつだけれど、それでも向上は向上だ。
紳士とは、払った税金と、寝た女性について多くを語らない人のことです
自分に同情するな。自分に同情するのは、下劣な人間のやることだ。
人生って妙なものよね。あるときにはとんでもなく輝かしく絶対的に思えたものが、それを得るためには一切を捨ててもいいとまで思えたものが、しばらく時間が経つと、あるいは少し角度を変えて眺めると、驚くほど色褪せて見えることがある。私の目はいったい何を見ていたんだろうと、わけがわからなくなってしまう
深刻になることは必ずしも、真実に近づくこと…ではない。
言葉には確かな力がある。しかしその力は正しいものでなくてはならない。少なくとも公正なものでなくてはならない。言葉が一人歩きをしてしまってはならない。
多くの人は枠組みが必要で、それがなくなってしまうと耐えられない。いろんな檻というか囲い込みがあって、そこに入ってしまうと下手すると抜けられなくなる。
どれほどこっそり息を潜めていても、そのうちに誰かが必ずあなたを見つけ出します。