ほんの少しでも国法に触れた者、または国法に触れたと疑われてる者を、人でなしの、人間の風上にもおけぬものみたいに取り扱って恥じない。リンチ機械としてのテレビ。
凶悪犯罪をしたから凶悪な男だとか、そういうふうにはちっとも思えないし、また逆に、自分がいつ凶悪犯になるか、それもわからないですよ。
人間判断の場合には、それを法律機能的にだけ考えてもダメだし、中途半端なところで倫理観を入れたり正義感を入れたり、良心の問題を入れると、まちがっちゃうよという感じが強いです。
法律というのは、いちばん最後に、仕方がないから法律の問題になったとか、そういうことじゃないと、意味がないです。
いまみたいに、変なところでもって法律が介入してきちゃうことは、やっぱりよくないことだと思います。
それに、僕は、「あいつ、不機嫌な顔をしている」って言われる顔をしています。これは地顔なんだよと言っても通用しねぇから、もうそういうことは一切抜きにしたい。
「しゃべることというのは、絶対に人には通じないんだ」と、子どものときから思っていましたし、あまりしゃべらない人間でした。
赤ん坊のとき苦労したって言われたって、俺は知らねぇ(笑)知らないけどね、つまりは経済状態です。東京へ出てきたときには惨憺たるものだったらしいですね。そのときにきっとおふくろさんは、やっぱりヒステリックな子どもの育て方をしたんだと思います。おそらく僕がいちばんそこに該当したわけです。
親父やおふくろさんに訊きましたよ。「どうして俺だけ、いつも憂鬱な顔してるんだ?兄弟みんな、文房人なりの朗らかさを持ってるのに、俺だけどうして憂鬱なんだろうな?」って訊いた。そしたら、笑って答えなかった。答えなかったけど、弟の嫁さんには、おふくろさんが「赤ん坊のとき苦労したからね」って言ってたそうです。
子どものことは基本的に、全部親がやることだよ、というふうに思っています。
まとめ
今回は「吉本 隆明」の名言・名セリフ集をご紹介しました。
お気に入りの名言や心に響く名言は見る人によって変わります。
「吉本 隆明」の名言には、今回ご紹介していないものの中にも、まだまだ名言と呼ばれるものが数多く存在するでしょう。
ぜひ自分のお気に入りの名言を見つけてみてください。