予約された結果を思ふのは卑しい。正しい原因に生きる事、それのみが浄い
そして僕はここまで来てしまった このさんたんたる自分の道を見て 僕は自然の広大ないつくしみに涙を流すのだ。
変態とは僅かに我々と、一歩を隔てたもののことである。
詩を書かないでいると死にたくなる人だけ、死を書くといいと思います。
待つがいい、さうして第一の力を以て、そんな問に急ぐお前の弱さを滅ぼすがいい
母を思ひ出すとおれは愚にかへり、人生の底がぬけて怖いものがなくなる。どんな事があらうともみんな死んだ母が知つてるやうな気がする
こころよわがこころよ ものおぢするわがこころよ おのれのすがたこそずゐいちなれ
あのやくざに見えた道の中から 生命(いのち)の意味をはっきりと見せてくれたのは自然だ 僕をひき廻(まわ)しては目をはじきもう此処(ここ)と思うところで さめよ、さめよと叫んだのは自然だ これこそ厳格な父の愛だ
わたしの手からとつた一つのレモンを あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ トパアズいろの香気が立つ。
彼は人間の卑小性を怒り、その根元を価値観に帰せり。
世界がわかわかしい緑になつて 青い雨がまた降つて来ます
五臓六腑のどさくさとあこがれとが訴へたいから 中身だけつまんで出せる詩を書くのだ。詩が生きた言葉を求めるから 文(あや)ある借衣を敬遠するのだ
重いものをみんなすてると、風のように歩けそうです
僕は武者ぶるいをした 僕は子供の使命を全身に感じた 子供の使命!
日常の瑣事にいのちあれ 生活のくまぐまに緻密なる光彩あれ われらのすべてに溢れこぼるるものあれ われらつねにみちよ
年で洗われた あなたのからだは 無辺際(むへんさい)を飛ぶ 天の金属。
詩の翻訳は、結局一種の親切に過ぎない
あなたが 黙って 立ってゐると まことに 神の造りしものだ
私は驚いて空を見る。桜若葉の間に在るのは、切つても切れないむかしなじみのきれいな空だ
どんよりけむる地平のぼかしは うすもも色の朝のしめりだ