一点の雲もなく晴れあがり、空気が冷たく澄みきっている日だった。はるか遠くまで見とおすことができた。しかし、ヴェルマが行ったところまでは見えなかった。
論理的になればなるほど、創造性は失われる。
真実には2種類ある。一つは道を照らしだすもの。もう一つは心を温めるもの。前者は科学、後者は芸術だ。芸術なき科学は、配管屋に手術用の鉗子を持たせるかのごとく使い道のないものである。科学なき芸術は、民俗と感情的ペテンの粗野な混乱だ。
「一日二十五ドルなのね」と、彼女はいった。「哀れな、淋しいドルさ」「とても淋しい?」「燈台のように淋しい」
タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない。
この部屋の酸素を無駄にしたくない。帰れよ。
「私の引き下がり方はいつも同じなんだ」と、私は言った。「空しい微笑を見せ、軽く手首をふる。そして、この世で二度とあんたに会うことがないようにと、心の底から祈る。おやすみ」
自分で自分に仕掛ける罠ほどたちの悪い罠はない。
あんたは僕の仕事が気に食わない。僕を信用しなかった。だからって、あんたを嫌な人間だと考えるのは間違ってる。
女は男より衝動的に行動する。ネコが犬より衝動的であるというのとおなじですね。
わたしは行動する人間を疑いなく称賛する。
魔力なくしての芸術はない。芸術なくしての理想主義はない。理想主義なくしてのインテグリティはない。インテグリティがなければ、すべてはただの生産物である。
私のような人間に機会を与えちゃいけない。私はお前さんが生きてきた年月よりずっと長く拳銃を撃っているんだ
ぼくのいう自尊心はちがうんだ。ほかに何も持っていない人間の自尊心なんだ。
あらゆる真面目なことの中で、結婚というやつが一番ふざけている
探偵が殺人犯を追いつめる。殺人犯が拳銃を出して、探偵に向ける。殺人犯が探偵に長々と悲しい物語を語る。語り終わったら彼を撃つつもりでね。こうして、殺人犯が最後にじっさいに探偵を撃ったとしても、多くの貴重な時間がむだになる。だが、殺人犯は決して撃たない。撃つのを妨げることが必ず起こる。神様もこの場面がきらいで、いつも場面をぶっこわしにかかるんだ
ある人が技術について話し始める時、それは彼のアイディアが枯渇したことの証明でもあるんだ。
夜の空気の権利を取っているものはまだ誰もいない。だが、権利を取りたいと考えているものは大勢いるだろう。そのうちに、きっと誰かが取るにちがいない
よすんだ。私は知っている。マーロウはなんでも知っている。どうしたらまっとうに暮らせるかということ以外はね。
それはいい香りのする世界ではないんだよ。