だから、彼らのまねをするな。あなたがたの父なる神は、求めない先から、あなたがたに必要なものはご存じなのである。
あなたは祈る時、自分のへやにはいり、戸を閉じて、隠れた所においでになるあなたの父に祈りなさい。
すると、隠れた事を見ておられるあなたの父は、報いてくださるであろう。
また祈る時には、偽善者たちのようにするな。彼らは人に見せようとして、会堂や大通りのつじに立って祈ることを好む。
よく言っておくが、彼らはその報いを受けてしまっている。
もし人をゆるさないならば、あなたがたの父も、あなたがたのあやまちをゆるして下さらないであろう。
兄弟だけにあいさつをしたからとて、なんのすぐれた事をしているだろうか。そのようなことは異邦人でもしているではないか。
こうして、天にいますあなたがたの父の子となるためである。
天の父は、悪い者の上にも良い者の上にも、太陽をのぼらせ、正しい者にも正しくない者にも、雨を降らして下さるからである。
しかし、わたしはあなたがたに言う。敵を愛し、迫害する者のために祈れ。
『隣り人を愛し、敵を憎め』と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。
あなたがたが自分を愛する者を愛したからとて、なんの報いがあろうか。そのようなことは取税人でもするではないか。
もしも、あなたがたが、人々のあやまちをゆるすならば、あなたがたの天の父も、あなたがたをゆるして下さるであろう。
あなたがたは断食をする時には、自分の頭に油を塗り、顔を洗いなさい。
それは断食をしていることが人に知れないで、隠れた所においでになるあなたの父に知られるためである。
すると、隠れた事を見ておられるあなたの父は、報いて下さるであろう。
また断食をする時には、偽善者がするように、陰気な顔つきをするな。
彼らは断食をしていることを人に見せようとして、自分の顔を見苦しくするのである。
よく言っておくが、彼らはその報いを受けてしまっている。
すべて求める者は得、捜す者は見いだし、門をたたく者はあけてもらえるからである。
求めよ、そうすれば、与えられるであろう。捜せ、そうすれば、見いだすであろう。門をたたけ、そうすれば、あけてもらえるであろう。
魚を求めるのに、へびを与える者があろうか。
あなたがたのうちで、自分の子がパンを求めるのに、石を与える者があろうか。
このように、あなたがたは悪い者であっても、自分の子供には、良い贈り物をすることを知っているとすれば、
天にいますあなたがたの父はなおさら、求めてくる者に良いものを下さらないことがあろうか。
だから、何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ。これが律法であり預言者である。
剣を取る者は皆、剣で滅びる。